今回は元大手商社の法人営業リーダーを務めていた筆者が、たった1日で1億円以上の年間契約を獲得するに至ったコミュ力スキルを紹介致します。
コミュ力アップしたい読書の方だけでなく、サラリーマンとしてのスキルを身に着けたい方、出世競争に勝ちたい方にもおすすめの記事となっております。
とある大型の商業施設の管理会社との商談

割と小さな案件で赴いたとある大型商業施設。
その日はそこの管理会社を務める企業さんとの打ち合わせ兼施設見学会でした。
商業施設相手の小さな案件とはいえ、同じような施設をいくつも管理している企業さんなので、打ち合わせと施設見学の間に何かしらの状態さえ拾えれば、割とドル箱の匂いはしていましたので、少し気合を入れて臨みました。
大筋の流れは既に決まっていた案件だったため担当者さんとの打ち合わせは数十分で終り、施設見学の時間になり、商業施設の目ぼしい場所を案内して頂く事に。
こここそまさにコミュ力スキル×営業スキルの見せ所です。
コミュ力の発揮すべきポイント

筆者は営業中のコミュ力の最大の発揮ポイントは、雑談中にこそあると考えています。
雑談力こそが営業職の最強のコミュ力スキルなのです。
他社への営業中(営業職以外でも)は仕事の話をしっかりする場面と、そうではない他愛もない雑談をする場面とが、何度も繰り返し、切り替わりながら進行していきます。
たとえば目的地に向かう車内、打ち合わせ後の喫煙タイム(筆者は非喫煙者ですが)、一緒にお食事をするタイミングなど、雑談力が発揮される場面は様々です。
この雑談を制す者こそが、営業成績を残せる能力のある営業マンなのです。
コミュ力=雑談力

優れたコミュ力を持つ人間の雑談タイムとそうでない者の雑談タイムは、まさに天国と地獄、月と鼈(すっぽん)ほどの差が生まれます。
相手との距離を縮め、信頼関係を築くために最も重要な時間が雑談の時間なのです。
ここでいかにコミュ力を発揮できるかに、仕事での良し悪しがかかっていると言っても過言ではないかもしれません(もちろん職務遂行能力も重要ですが)。
1億案件の獲得方法

さてこの項では今回の記事の肝である、どうやって筆者が1億案件を商業施設の施設見学タイムに獲得したのかについて解説します。
〇〇の良い所をみつけ褒める
まずは当たり前の事ですが、相手の施設を自然に褒めていきます。
これは基本スキルですが、務めている場所を褒められて嫌な気がする人はほとんどいないので、わざとらしさのないように、しっかりと良い所を見つけそこを褒めていきましょう。
会社や勤め先の文句を言う人もたくさんいますが、面白い事に彼ら彼女らのほとんどが、実のところ心の中では勤務先を愛しているのです。
これは自分の妻や旦那の悪口を言う人の心理にも似ているのですが、彼ら彼女らのルールでは悪口を言って良いのは自分だけなのです。他者が乗っかって同じように悪口を言うと不思議な事に胸がモヤっとする内心があるように、心の奥底では身近な場所や人に愛着を感じるという心理が人間にはあるのです。
そのためどんなに務めている会社の文句や悪口を言う担当者さんであれ、筆者は相手の勤め先のネガティブな事を絶対に言わず、むしろしっかり良い所を見つけてそこを褒めるようにしています。
するとその度合いに差はあれど、相手は気分が良くなる事が多いのです。
まずは相手に良い気分になって貰う事は良いビジネスの絶対条件ですので、参考にしてみてください。
問題を見つける

相手をしっかり良い気分にしつつ、自然な雑談の中で、相手の企業や担当者が抱える問題を見つける努力をしましょう。
他愛のない雑談の中にも必ずヒントは隠れています。
会話をコミュ力でコントロールしつつ注意深くアンテナを張っていれば、その問題のヒントや欠片のようなものが見つかるはずです。
例えば今回の案件で言うと、筆者はその商業施設の抱える館内配送システム(施設内での荷物の循環に関するシステム)と、それに付随する業務の問題を担当者さんとの雑談の中で見つける事ができました。
総合商社に勤めているとありとあらゆる事を関連事業で持っている事が多いので、どこからでもお金に繋げる事ができます。
そのため直接的に今行っている仕事以外の関連事業に結びつけることで、まるで想定していなかったビジネスへ発展させる事が可能なのです。
というわけで筆者は、その管理会社が契約している配送や物流関連会社を、筆者のグループ企業にそっくりそのまま切り替えさせられるのではないかと考えました。
そのため筆者はその担当者さんに、筆者の営業スキル×コミュ力スキルの必殺技を発動させます。
営業スキル×コミュ力スキルの必殺技

筆者の営業スキル×コミュ力スキルの必殺技とは、「相手が自ら気が付いたと思わせる事」
たぶんコレだけ聞いても「???」だと思いますので解説いたします。
まず雑談中にこちらからお金の匂いがする話を持ちかけるのはNGなのです。
相手に「この人、結局自分の成績アップを狙って気さくに話しているだけなのね…」と思われてしまうと、どんなに良いアイデアや良い話でも、相手は感情的に聞き入れたくなくなります。
あくまでも雑談中はビジネス臭を消す必要があるのです。
そこで筆者の営業スキル×コミュ力スキルの必殺技の使いどころなのですが、こちらから「配送会社、うちのグループ企業に乗り換えませんか」と持ち掛けず、相手の担当者自身に「あれ?これ配送会社乗り換えた方がお得なんじゃないの…?」と思わせるのです。
自ら思いついたと思わせる事ができれば、商談を持ちかけずとも相手から自然に提案してきてくれ、さらに自分が思いついたアイデアだと思っている相手は、「これで会社のコストリダクションに繋がれば、自身の評価が上がる!」と喜び気分が良くなるのです。
そうするとあとはこちらが熱心に営業トークを繰り広げずとも、相手がどんどん自身の評価アップや出世のために案件実現に動いてくれるので、とても効率的に仕事が進みます。
すこし姑息な手に感じる人もいるかもしれませんが、あくまでもビジネス時、営業時のスキルですので悪しからず…(笑)
でもこのようにコミュ力スキルを駆使して会話をコントロールできれば、相手が自ら気が付いた事にさせるのも容易いのです。
若干マインドコントロールに似ているかもしれませんが、コミュ力スキルさえあればこれが日常会話においても使用可能なので、恋愛や友人関係も有利に運ぶ事は多いです(常にこれをやると本当に姑息な人間になりかねないため、普段はやらない事をおすすめします)。
やり方
「いや簡単に相手に気が付いた事にさせるっていうけど、そんな事どうやるの…?」と思われた方もおられるかもしれません。
では次にそのやり方を解説致します。
意外とそのやり方は簡単で、雑談の中に相手がそれに気が付くようなヒントというか、欠片(かけら、ピース)のような物を散りばめるのです。
例えば今回の案件であれば、※1「そういえばさっき〇〇物流のトラックが敷地に入ってくのをみかけまししたが、あそこのシステムってどうなんですか?」とか、※2「最近うちの会社もコストリダクションが進んでいて、貢献した人間が営業成績関係なしに昇進しちゃいましたよまったく…」などのヒントを散りばめたりしました。
ほんの一例でもっとたくさんのヒントを与えましたが、例えば今の2例には以下のような意図があります。
※1・かかえる問題の炙り出しと、システムへの不満を改めて感じさせる目的
※2・大きなコストリダクションに繋がる提案が社内で出来れば、自分も昇進できるかも?と感じさせる目的
こういった相手の心の中での気が付きや疑問の沸き上がりを起こさせる事が継続的にできれば、一つ一つの疑念や感情の動きは小さくても、最後には大きなアイデアとなって相手に行動させるきっかけとなります。
あとはその気が付きにこちらは乗っかってあげる形で、商談として昇華させてあげればよいのです。
今回のケースでは担当者さんが「あれ、もしかして御社のグループ企業さんに配送システム乗り換えた方が、うちの会社的にも良いんですかね…?」と施設見学の後半には口に出してくれたので、そこに筆者が「あ~、なるほど…、確かに細かい金額は私もすぐには出せませんが、相当な額のコストリダクションにもなるはずですし、なによりその業務に関するAさん(その担当者さん)の日々の負担もだいぶ軽減するやもしれませんね…。」と乗っかる形で、あくまでも気が付いたのはあなたですよというスタンスで会話をさらに進めました。
さらに「私も直の所属部署ではなく、しかもグループ企業の事ですので、少々お時間は頂きますがちょっと繋げてみましょうかね…、もちろんそれでボーナスアップや出世した際には…、飯…おごって下さいよ…(笑)」と冗談交じりに、あくまでも自分の利益はないし、むしろ繋げる事で手間がかかる、ご飯を奢ってもらえるほどあなた側にメリットがある事なのですよ。という印象づけをしました。
こうする事でさらにビジネス臭は消せて、さらに私は損得抜きであなたに貢献しますよという良い印象を与える事ができ一石二鳥なのです。
もちろんこの会話のあとすぐにグループ企業にいる管理者にメール&電話にてこの事を報告し、企業間をつなぐ橋渡し役を買って出ました。
ここでグループ企業に丸投げすると上手く行かない場合が多いので、必ず橋渡し役を続けましょう。
社内での地位を確立

この案件が最終的に大口の物流案件獲得に繋がり、結果的にその管理会社が管轄する施設のすべてで筆者のグループ企業への乗り換えが決まりました。
もちろん大きな金額の決裁ですから時間はかかりましたが、部髄する関連業務を含めると年間で1億円以上のお金を生む契約となったのです。
もちろん筆者の所属部署ではないどころかグループ企業での契約だったので、筆者に直接的なインセンティブやボーナスアップなどは発生しませんでした(笑)
が、この件でグループ企業の役員連中や、ホールディングスなどからの評価が上がり、結果的に自社内での地位の向上、さらに数年後の飛び級出世に繋がったのです。
結局サラリーマンは成績だけ残していれば良いわけではなく、どれだけツテやコネを作れるかも非常に重要な出世要素ですから、このように自身に直接的な利益(お金)のない話にも積極的に絡んでいく事は有効打になります。
今回の案件で言いますと、繋げた先のグループ企業と商業施設の管理会社の両方に大きな貸しを作れました。
営業職はどれだけ切れるカードを持てるかによってもかなりその先の立ち回りが変わります。
貸しは作れるだけ作りましょう(笑)
コミュ力スキルさえあれば、何でもできる
というわけで今回は長々と筆者の営業時代に良く使ったコミュ力スキルの解説を行いましたが、いかがだったでしょうか。
実際の事例を取り上げて解説する事で、いつもよりも参考になれたのではないでしょうか。
このコミュ力スキルが少しでも多くの人に、特にサラリーマンの読書様に届く事を願っております。
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ではではご閲覧ありがとうございました。
これからもコミュ力.COMを末永くよろしくお願いいたします。
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