生殺与奪とは?意味や「せいさいよだつ」という読み間違いを解説
「生殺与奪」とは、相手を生かすことも殺すことも、何かを与えることも奪うことも、思いのままにできることです。
他人の運命を左右できるほどの強い支配力を表し、一般には「生殺与奪の権を握る」という形で使われます。
生殺与奪とは?
生殺与奪は、「生かすことと殺すこと」「与えることと奪うこと」を組み合わせた四字熟語です。
相手の命や立場、利益などを自由に左右できるほど、強い権力を持っている状態を表します。
文字どおり人の生死を決められる場面だけでなく、相手の将来や組織の行方を大きく左右できる立場を比喩的に表す場合にも使われます。
ただし、非常に強い支配関係を示す言葉です。単に決定権があるというだけの場面で使うと、大げさに聞こえることがあります。
生殺与奪の読み方
「生殺与奪」は「せいさつよだつ」と読みます。
区切ると、次のようになります。
- 生殺:せいさつ
- 与奪:よだつ
「与奪」は、与えることと奪うことです。この言葉では「よだつ」と読みます。
「せいさいよだつ」は間違った読み方?
「せいさいよだつ」は、一般的な辞書に示されている読み方ではありません。正しくは「せいさつよだつ」です。
「殺」という漢字には、「相殺(そうさい)」のように「さい」と読む場合があります。そのため、「生殺」の「殺」も「さい」と読んでしまいやすいのでしょう。
しかし、同じ漢字でも、熟語によって読み方は異なります。「生殺与奪」の場合は「殺」を「さつ」と読むため、「せいさつよだつ」と覚えましょう。
なお、「生殺」は「生かすことと殺すこと」という意味です。「せいさい」と読む別の言葉が含まれているわけではありません。
生殺与奪はどんなときに使う?
生殺与奪は、ある人物や集団が、他人の運命を思いのままにできるほど強い権力を持っている場面で使います。
多くの場合は、次のように「権」という言葉と組み合わせます。
- 生殺与奪の権
- 生殺与奪の権を握る
- 生殺与奪の権を他人に委ねる
強い権力や支配を表す硬い言葉なので、日常の小さな選択について使う表現ではありません。
また、相手にすべてを任せてしまい、自分では状況を変えられないことを強調する場合にも使われます。
生殺与奪を使った例文
- 一人の責任者に、生殺与奪の権を集中させるべきではない。
- 取引先に事業の生殺与奪を握られている状態は、早めに見直す必要がある。
- 自分の将来に関する生殺与奪の権を、安易に他人へ委ねてはいけない。
- その組織では、限られた人々が部下の生殺与奪を握っていた。
- 重要な判断を一社に依存すれば、経営の生殺与奪を相手に握られかねない。
生殺与奪の類語・似た表現
死命を制する
相手の運命を左右できる立場になることです。
「生殺与奪の権を握る」と近い意味を持ちますが、「死命を制する」は、相手の弱点や重要な部分を押さえて支配するという意味合いがあります。
活殺自在
相手を生かすことも殺すことも、自分の思いどおりにできることです。
生殺与奪と非常に近く、他人の運命を自由に左右できるほどの力を表します。
命運を握る
人や組織の将来を左右できる立場にあることです。
生殺与奪よりも意味が分かりやすく、実際の生死とは関係のない場面でも使いやすい表現です。
生殺与奪を使うときの注意点
生殺与奪は、人の運命を思いのままにするほどの強い支配力を表します。
そのため、「予定を決める」「仕事を割り振る」といった一般的な決定権について使うと、意味が強すぎる場合があります。
また、「生殺与奪を握る」でも意味は通じますが、辞書では「生殺与奪の権を握る」という形が代表的な用法として示されています。迷ったときは、この形を使うと分かりやすいでしょう。
まとめ
「生殺与奪」は「せいさつよだつ」と読み、他人の命や運命、利益などを思いのままに左右することを意味します。
「せいさいよだつ」と読むのは誤りです。「殺」は「相殺」では「さい」と読みますが、「生殺与奪」では「さつ」と読みます。
非常に強い権力や支配関係を表し、主に「生殺与奪の権を握る」という形で使われる言葉です。



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